第2回 BIGBANG・Psy・EPIK HIGH K-HIPHOPの台頭

第2回目のコラムは、今の韓国音楽シーンの中心といってもいいK-HIPHOPにスポットを当てます。若手グループのインタビューも合わせて紹介しましょう。

ヒップホップのルーツは、70年代初期に始まった西アフリカの文化とアフリカ系アメリカ音楽が発祥と言われています。詩を朗読するミュージシャンのスタイルがラップに変わっていき、グランドマスター・フラッシュを代表するニューヨークのオールドスクールをきっかけとしてメジャー・シーンにのりました。ヒップホップの形は時代とともに変わっていきましたが、Run–D.M.C.やパブリック・エネミー、M.C.ハマーの登場は、さらにHip Hop文化をポップフィールドに広めるきっかけになり、イーストコースト、ウエッサイと呼ばれるウエスト・コーストなど各地のカラーを打ち出し、変化していきました。

アメリカの黒人音楽をK-POPと融合させた最初のプロデューサーヤン・ヒョンソク

K-HIPHOPは、そういったアメリカの流れに影響を受け、DJ DOCを代表とするアーティストたちによって、90年代初期にアンダーグラウンドの音楽シーンとして紹介されています。そして、K-HIPHOPが、メジャーになるきっかけとなったのは、YGエンターテイメントのCEOヤン・ヒョンソクが、ソテジ・ワ・アイドゥルを経て、プロデューサーに転身した時に、アメリカのR&B、ヒップホップを取り入れた音楽を作るアイデアをもち、Keep Six、ジヌション、1TYMを世の中に送り出したのです。アメリカの黒人音楽をK-POPと融合させた最初のプロデューサーと言えます。YGは一貫してその精神を貫き、元1TYMのTEDDYなどヒップホップに特化した自社のクリエイターも誕生させています。1TYMは、アイドル性をもったHIPHOPグループとして人気を博し、彼らが作り上げてきた基盤をBIGBANGが受け継いでいるという流れがあります。

BIGBANG SOL「今日はサプライズがある!」


写真協力:Fm yokohama「Radio HITS Radio」


以前、BIGBANGのメンバーがインタビューの際、1TYMのTaebinと一緒に現れたことがあり、Taebinの才能の一つであるR&Bへのこだわりを聞いたことがあります。韓国のアーティストに絶大なる人気をもつUsherの存在は、彼の音楽スタイルを確立させたと言っていました。余談ですが、あの時、先輩と一緒にいたBIGBANGの初々しい時代が懐かしいです。実は私が1TYMファンであったことを以前から話していたので、BIGBANGが気を利かせて、Taebinを連れてきてくれたのです。「今日はサプライズがある!」とSOL君の自慢気な登場がかわいかったです。

WINNER ミヌ「ゴリゴリのヒップホップは僕のソロナンバーぐらいです」


写真協力:Fm yokohama「Radio HITS Radio」


YGからは最近WINNERが誕生しました。「僕たちはヒップホップ・グループですが、ロック・シンガーだったメンバーもいるので、ギターを使ったアコースティックな要素の曲もあります。ゴリゴリのヒップホップは僕のソロナンバーぐらいなんです」とミヌ。現在のK-HIPHOPの中心は、音楽スタイルだけでなく、アメリカから流れたダンスの要素や、ポップ性を含んでいます。その代表がWINNERであり、防弾少年団であり、BlockBであり、そして新人のMONSTA Xなどです。それぞれのグループのラッパーは、非常にクオリティが高く、センス溢れるアーティストです。

EPIK HIGHの流れを組むヒップホップ・グループM.I.B


写真協力:Fm yokohama「Radio HITS Radio」


K-HIPHOPは、90年代YGの音楽的戦略と並行してアーティストが続々とデビューしました。ユ・スンジュン、Dynamic Duoなどがいましたが、MCモンや韓国のウィル・スミスとまで言われたヤン・ドングンも初期のK-HIHOPの立役者だったといえます。

そしてEPIK HIGH(現YG)の登場は、女性アーティストの歌声をフィーチャーしたヒップホップのスタイルを韓国にもたらせたグループとして人気を博しました。元Love Holicのチソンはもともと洋楽志向ですが、「One」では、透明感のある歌声と洋楽のノリはEPIK HIGHのヒップホップにうまくマッチしていました。2NE1のボムも「UP」で参加していました。

EPIK HIGHの流れを組むヒップホップ・グループはM.I.Bだと言えます。現在カンナムがヴァラエティで大人気のため、活動は休止しているようですが、5zicのラップのセンスは抜群です。その代表曲は「Celebrate」。彼らの登場は当時1TYMを彷彿させましたが、よく考えるとEPIK HIGHの存在が大きいのでは思うようになりました。EPIK HIGHは、今年のサマーソニックに出演します。

もちろん世界的成功を収めた「江南スタイル」のPsyの活動は、K-HIPHOP界に大きな影響を与えていることを忘れてはいけません。そういったK-HIPHOPから、現在巻き起こっているボーイズ・ヒップホップ・グループのムーヴメンになるわけです。これまでのK-POPグループは、ダンス・ポップ・サウンドのなかにラッパーがいるスタイルでした。例えばSHINHWAとか、godとか、最近ではINFINITEなどなど。しかし、現在のK-HIPHOPはよりヒップホップのアメリカ文化を取り入れたサウンドが中心になっているといえます。

HOTSHOT「僕たちの武器は、KRUMPを見せること」


写真協力:Fm yokohama「Radio HITS Radio」


前述したグループに加え、先日来日したHOTSHOTもそうです。彼らの特徴をメンバーのKID MONSTERはこう語っています。「数多くのヒップホップ・グループが出てきましたが、僕たちの武器は、ストリートダンスの一種KRUMPを見せること。KRUMPを踊る唯一のグループです。まだまだヒップ・ホップ・グループとしての本領は発揮していません。これからを楽しみにしていてください。」ちなみにKRUMPとは、少しカクカクした動きのダンスのことです。

最近、K-HIPHOP界の大御所ジヌションが11年振りにカムバック。現在のK-HIPHOPの流れを作った源である彼らの新曲「Tell Me One More Time」。EPIK HIGHのTABLOが書いています。これまでYGの新人を育て見守ってきた二人の満を持して発表した新曲です。ちなみにショーンは、女優チョン・ヘヨンとの間に4人の子供がいる子育て有能パパとしてもヴァラエティなどで知られています。

いかがでしたでしょうか?K-HIPHOPの流れを簡単ではありますがご紹介しました。

<関連楽曲>
BIGBANG    SOL
WINNER    防弾少年団
BlockB    MONSTA X
EPIK HIGH    MCモン
Love Holic    2NE1
M.I.B    カンナム
Psy    SHINHWA
god    HOTSHOT

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